始まりのルート
始まりのルート,いや懐かしのルートだろうか.
誰にでもそんなルートがあるだろう.
僕にとってのそれは小川山,妹岩にある.
2021年秋頃,確か小川山に来たのは2回目だったかな.
まだ,裸足になってマラ岩の渡渉をしていた頃.(岩づたいに行けるのを知らなかった)
当時ジムでそこそこ登れていた?僕は小川山の10台くらいサクサク登れるだろうと高をくくっていた.
人気エリアということでマラ岩を目指した僕らは,何故か妹岩の「彩花(さいか)10d※」をチョイスした.
唯一空いていたのかな?
取りつきからルートを見上げると,浅いフレーク状のホールドが見え,どこでも持てそうだと思った.
しかし,不安定な下地とボルト間隔に少しビビっていた.
とは言っても10台!ということで,友人たちとリードトライを始めた.
結果は惨敗...
確か2~3ピン目のムーブすらできなかった.テンテンでなんとかTOした友人も,ルート右の大フレークに逃げた有様.
ルートファインディング力,ムーブ力,足置き,持久力,メンタル…etc
全てが不足していた,つまり完全な体たらくぶりを発揮したのだった.
そんな苦い思い出であり,自分は弱いんだと自覚させられたルートが彩花である.
それ以降,間違いなく彩花を避けていた.苦手系というイメージがどんどん脳内で増殖し,またできなかったらどうしようと思い,ためらう日々.
更には,アプロ―チの木登り&岩登りセクションも面倒くさいという言い訳から,ティックリストから抹消していた.
しかし,先日彩花と対面する機会が巡ってきた.
初日にボルダー&マルチでボロボロになった僕は,後輩のビレイで妹岩方面へ向かうことに.
全体的にしけしけで,乾いているルートが限られていた.
ふと周りを見渡すと,彩花が目に入った.
「彩花やるしかないじゃん!!」
久しぶりに対面した彩花は,少し小さく傾斜も緩く見えた.そして,以前ほどボルトが遠い感じがしなかった.
雨のせいか,全くチョーク跡の無い彩花は少し嫌らしかったが,無事RPできた.
今やってもムーブの組み立ては複雑で,花崗岩らしいシビアな足置きだと思う.
最後は右の大フレークに逃げずに浅いクラック状を直上したが,ピリッとしたムーブが待ち構えていた!!
彩花を原点に,ますます強くなっていきたい.
おわり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※補足
彩花は2023年新トポでリグレードされている(10d→11a),最後に右フレークに逃げると10dらしい.
夢舞カップ女子予選ルートで初登された歴史あるルート.
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。